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LAFORET 2017年1月

願い事

2017年を迎えました。不思議なことですが、年が改まるだけで厳粛な気持ちになり、居住まいを正して、今年こそはといった思いに駆られるのは、昔も今も変わらないようです。

ところで、毎年多くの方が初詣にいらっしゃる姿がテレビに映し出されますが、そこで手を合わせて祈るその祈りは、家内安全、無病息災、福運招来等の願いごとが大半ではないかと思います。しかし、そのような祈願をしながらも、昨年家族を亡くされた方、病に倒れた方がいらっしゃるかもしれません。又、災害にあって、着の身着のままで年を越した方々もいらっしゃることでしょう。もっとも、だからこそ今年は幸運でありますようにと手を合わせるわけですが、なかなかすべての願いが叶えられるというわけには行かないのが人生ではないでしょうか。

ところで聖書の中に、知恵者として知られ栄華を極めた、ソロモンというユダヤの王様の話が出てきます。ある日、神さまが夢枕に立ち、「何でも願うがよい。あなたに与えよう」と言われ、年若き王は次のような祈りを捧げたと記されています。「わたしは取るに足らない若者で、どのようにふるまうべきかを知りません。どうか、聞き分ける心をしもべに与えて、あなたの民をさばかせ、わたしに善悪をわきまえることを得させてください。」

神さまはソロモンのこの祈りをお喜びになり、「あなたは自分のために長寿も富も敵の命も求めず、知恵を求めた。願い通り、知恵に満ちた賢明な心を与える。また、あなたが願わなかった富と栄光も与える」とおっしゃって、知恵ばかりか、富と栄誉も与えられたのでした。

また聖書の中には、次のような私の好きな言葉が記されています。「わたしはどんな境遇にあっても足ることを学んだ。わたしは貧に処する道を知っており、富におる道も知っている。わたしは、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、ありとあらゆる境遇に処する秘訣を心得ている。わたしを強くして下さる方によって、何事でもすることが出来る」(ピリピ4:11-13)

ともすれば、私たちは家内安全や無病息災を幸せの条件とし、それだけを願いがちですが、本当に祈り求めなければならないのは、実は、知恵に満ちた賢明な心であり、ありとあらゆる境遇に処する秘訣を心得た、強く柔軟な心ではないでしょうか。

迎えた新しい一年が、果たしてどんな年になるか分かりませんが、「あらゆる境遇に処する秘訣」を願い求めつつ、本当の意味で豊かな一年としていきたいものです。