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Laforet 9月号

「ソロモン王の堕落」亀甲山キリスト教会牧師 伊藤裕史

イスラエルの三代目の王、ソロモンの話です。神様はソロモンを祝福して知恵と知識を与えます。そして、ソロモンが神様にしたがい続けるならば、富と栄光と長寿も与えると約束して下さいました。そのため、この時代は、古代イスラエルの中で最も平和で繁栄した時代となったのです。ソロモンはイスラエルを素晴らしい国にしたのです。
しかし良い時代はそう長くは続きません。ソロモンが神様から離れてしまったからです。ソロモンはなぜ神様から離れたのでしょうか。神様を信じることは知恵や知識ではないからです。どんなに知恵や知識があっても、神様を信じることはできません。信じると理解や算盤でなく、神様との関係です。実際に神様と近くなることが必要だからです。
ソロモンは神様から頂いた知恵を用いて、国を守るという大義名分でもって、周辺の国々と次々に政略結婚を進めていきました。それだけではありません。当時エルサレムの中心にはソロモン自身が建てた神様の神殿がありました。しかし、ソロモンは他の国から来た女たちからの願いで、他の国の神々の神殿を立てていったのです。一つ、また一つと、神殿が増え、エルサレムの神殿の周りが他の神々の神殿だらけになってしまったのです。神様から離れてしまい、神様との間にたてられた契約「ソロモンが神様にしたがい続けるならば」という繁栄の約束に反してしまったのです。
「主は仰せになった。『あなたがこのようにふるまい、わたしがあなたに授けた契約と掟を守らなかったゆえに、わたしはあなたから王国を裂いて取り上げ、あなたの家臣に渡す。』」(列王記上11:11)
ソロモンは神様の恵みを忘れてしまい、栄華を極めた王国は分裂して、弱い2つの国に分かれていくことになるのです。ソロモンはその後、神様からの導きで悔い改め、神様に立ち返ります。そして後世に神様を伝える大切な役割を果たします。しかし、行ったことの結果を王国は背負わなくてはいけなくなったのです。
社会が繁栄するには理由があります。そして繁栄し続けるためには守らなくてはいけない原則があるのです。私たちの社会もそうです。私たちが豊かで平和な社会を生きていけるのには理由があります。そして私たちがこれからもこの恵みを受け続けるためには守らなくてはいけない原則があるのです。それは何なのでしょうか。それを考えることなく過ごしてしまえば、私たちも知らないうちにソロモンと同じ運命をたどるようになるのです。
私たちの社会で、家庭で、そして学校や教会で、これからも大切な原則を守り続けていきましょう。