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La foret 7月号

「心の虫干し」 
亀甲山教会牧師  平賀和弘
 「虫干し」という行事があります。虫干しとは、衣類や書物などを虫やカビの発生から守るために、風通しを良くし、日に当てることを言います。梅雨が明け、晴れの日が何日か続いた日に、虫干しをする方もおられるかもしれません。現代は、昔のようにわざわざ虫干しをしなくても、除湿機を使ったり、クリーニングに出したりすれば良いのかもしれませんが、窓を開け放って、風を入れ、虫干しすることは、清々しく、気持ちが良いものです。さて、聖書には、心の虫干しについての記述があります。

「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて
祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。 」(フィリピ 4章6節)

 人生には、いろいろな悩みがあります。自分の誤りやいたらなさに悩むこともあれば、自分とは関係なく、周囲の人々のわがままや悪意のために悩むこともあります。また、人間の意志とは無関係に発生する自然災害に悩むこともあります。過去の出来事を悔やみ、現在の状況に苦しみ、将来に対しては不安を抱く人間の悩みは、尽きないのかもしれません。
 パウロは、「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい」と言いました。この言葉には、どんな意味があるのでしょうか。思い煩うことをやめることは、不可能なことのように思います。パウロは、ここで、悩むことのない強い人になることを勧めているのでしょうか。そうではありません。パウロは、ここで、悩みを自分一人で抱え込んではならない、神様に打ち明けなさいと、祈ることを勧めています。
 神様は、私たちのどんな不平不満も、愚痴も、怒りも聞いてくださいます。打ち明け話に耳を傾けてくださいます。神様が、私たちの願いを聞いて、閉口されたり、怒ったりされることはありません。だから、私たちは、恐れることなく感謝を込めて祈ることができるのです。
 心の虫干しをいたしましょう。神様に向かって、心の窓を開け放ち、願いを捧げましょう。神様に風通しよく、自分の本当の気持ち、求めているものを打ち明けてみましょう。「そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守る」(フィリピ4章7節)のです。