「We will meet again(また会いましょう)」 亀甲山教会牧師 平賀和弘
2022年9月、在位70年、96歳で亡くなられたエリザベス英女王の国葬が行われました。その告別説教の中で「We will meet again(また会いましょう)」という言葉が使われていました。
「We will meet again」は、2020年4月、女王がコロナ禍にあって苦しむ国民に向けて語ったメッセージの中でも使われました。毎年恒例のクリスマスのメッセージを除き、女王が特別な事態に際して国民にメッセージを伝えることは異例のことでした。女王は語ります。「これからもまだ、色々と耐えなくてはならないかもしれません。それでも、今より良い毎日は戻って来ると、それを心の支えにしましょう。友だちにまた会えます。家族にもまた会えます。みなさん、また会いましょう(We will meet again)。」とメッセージを結び、人々に希望を伝えるのです。
『We will meet again』は第二次世界大戦中、ヴェラ・リンが歌い、英国軍兵士の間で人気を博した曲名でもあります。エリザベス女王は、この曲名を引用し、コロナ禍のロックダウンの状況と戦時下の状況を重ねながら、再会の希望を語り、人々を励ますのです。
また「We will meet again」という希望は、イエス・キリストの救いに基づいています。聖書はこう語ります。「すなわち、合図の号令がかかり、大天使の声が聞こえて、神のラッパが鳴り響くと、主御自身が天から降って来られます。すると、キリストに結ばれて死んだ人たちが、まず最初に復活し、それから、わたしたち生き残っている者が、空中で主と出会うために、彼らと一緒に雲に包まれて引き上げられます。このようにして、わたしたちはいつまでも主と共にいることになります。 ですから、今述べた言葉によって励まし合いなさい」(テサロニケ一 4:16-17)。
死んで終わりではない。キリストが来られるとき、死んだ者もイエス・キリストの恵みによって復活し、再び会うことができる。永遠に神と共に生きることができる。また、この世では、希望を持って主に仕え、豊かないのちに生きることができると聖書は約束するのです。
女王の告別説教は、「We will meet again」と結ばれました。それは、女王を支え、また女王が伝えたイエス・キリストを指し示す希望の言葉でした。