「アドベント」 亀甲山教会牧師:伊藤裕史
今年も早いもので12月に入りました。キリスト教国ではないですが、街はなぜかクリスマスで盛り上がっています。そして、本職の教会でもクリスマスのプログラムのための準備に追われています。
クリスマスは本来「キリストのミサ(キリストの祭)」です。それが12月にイエス・キリストの誕生を祝う日となりました。でも実際のキリストの誕生がこの12月にあったかは定かではありません。ではなぜ教会はクリスマスをするのでしょうか。教会暦を採用している教会では簡単に言うと教会の伝統として祝っています。私たちの教会は教会暦を使っていません。だから別にクリスマスをしなくてもいい、むしろ誤った情報を皆さんに与えるのでしない方がいい、と考えてきました。しかし、この時期、多くの人がキリストに注目し、教会に足を運んで下さることもあって、(いつしてもよい)キリストの誕生のお祝いをこの時期にしているのです。でもクリスマスをするのであれば、教会は街のクリスマスとは違う思いを持たなくてはいけません。
教会暦ではこの時期、実はクリスマスではなく、「アドベント」と言われる、キリストの生誕を待ち望む期間です。アドベントはラテン語で「やってくる、到来」を意味します。誰がやってくるのか。救い主、キリストです。アドベントは人々が待ち望んだ救い主キリストがやってくることを思う時期なのです。今年の教会暦では12月3日からこのアドベントに入ります。1週間毎に礼拝をしながら、クリスマスが来るまで待ち望む時を過ごすのです。
皆さんは、人を待つ時、どのようにして待ちますか。「もういくつ寝ると」ではありませんが、小さい子のために、アドベントカレンダーといって、カレンダーの数字の窓を開けていったり、一週間ごとにロウソクを一本ずつ灯していくところもあります。そのキャンドルには意味があり、1本目のキャンドルは希望を、2本目のキャンドルは平和を、3本目のキャンドルは喜びを、そして4本目のキャンドルは愛を表しているのです。およそ一ヶ月の間、希望と平和、喜びと愛。私たちが聖書の中で大切にしている思いを一つ一つ考え、大切な人が来るのを待ち望む、それがこの時期の過ごし方なのです。
私たちはアドベンチスト、キリストの再臨を待ち望む民です。クリスマスの喜びあふれるこの時期、イエス様の再臨を思い、聖書にある大切なことを思う時、確認する時としてはいかがでしょうか。