「感謝の言葉」亀甲山キリスト教会牧師 伊藤裕史
教団が制作しているラジオ番組「光とともに」木曜日の担当になって、いつもこの時期にお話しするのが「感謝」についてです。なぜかと言えば、アメリカなどでは11月第4木曜日が感謝祭の日だからです。他の国でもこの時期に感謝祭を行っているようです。
感謝祭といえば日本でも行っています。新嘗祭です。勤労感謝の日に変わりましたが、もともと感謝のための祝日でした。今は宮中祭祀として行われますが、令和に入って新天皇が初めて行うということで、おそらく注目され、ニュースになると思います。
さて、この時期に行う感謝祭、何を、誰に感謝するのでしょうか。それぞれの立場、背景によっていろいろとあるようですが、一般的なのは秋の収穫に対する感謝、その収穫をもたらした神様への感謝です。最近は季節感がなくなり、秋だから、とは言われませんが、やはり収穫の秋、感謝して過ごしたいものです。
しかし、私たちには収穫の感謝の他にも感謝できることがたくさんあります。自分が今も生かされていること、健康であること、食べることができること、家族がいること、仕事が与えられていること、平和であること。
このような感謝できることに囲まれていることに気が付いて、1つ1つを日々感謝で埋めていくことができればどんなに素晴らしい毎日を送ることができるでしょうか。
勿論、その時その時の状況によって感謝できること、できないことが変わってきます。しかし、まったく感謝することができない、という時はないと思います。苦しい時でさえ、感謝することで気持ちを変えることができるのです。
特に私たちの使う日本語の言葉には、この感謝を表すものがたくさんあります。
感謝です。ありがとうございます。お世話になりました。おかげさまで。
恐縮です。お気遣い痛み入ります。感謝の言葉もございません。お礼申し上げます。
などなど、他にもいろいろあると思います。自分の立場と、相手の立場によって、そしてどのように感謝しているか、その思いによって言葉を変えて心を伝えようとするのです。皆さんは感謝を伝えるためにどのような言葉を使うのでしょうか。
ちょうど今は実りの秋。私たちの周りには、いつもより感謝することのできるものがたくさんあります。感謝を表現していきましょう。
「どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。」(新約聖書テサロニケ第一5章18節)