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Laforet 11月号

「あなたも同じようにしなさい」   亀甲山キリスト教会牧師 小林勝
 「ある人がエルサレムからエリコへ下って行く途中、追いはぎに襲われた。追いはぎはその人の服をはぎ取り、殴りつけ、半殺しにしたまま立ち去った。ある祭司がたまたまその道を下って来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。同じように、レビ人もその場所にやって来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。
ところが、旅をしていたあるサマリア人は、そばに来ると、その人を見て憐れに思い、近寄って傷に油とぶどう酒を注ぎ、包帯をして、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。そして、翌日になると、デナリオン銀貨二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います。』
さて、あなたはこの三人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。」律法の専門家は言った。「その人を助けた人です。」そこで、イエスは言われた。「行って、あなたも同じようにしなさい。」  これは新約聖書のルカによる福音書10章30節から37節に書かれている「善いサマリア人のたとえ」です。
イエス様は律法の専門家が「わたしの隣人とはだれですか」と質問した答えとして話されました。彼は神様が教えている正しい生き方を知っていました。「全力で神様を愛すること、隣人を自分のように愛すること」であると。しかし、嫌いな人、苦手な人はどうしても愛せませんでした。
イエス様は譴責でなくたとえで教えられました。もし、危険な状況の中で嫌いな人が助けを必要としていたらどうするかと。
祭司とレビ人は見ても無関心、気づかない振りをして自分を危険にさらしてまで助けようとしませんでした。サマリア人は見て憐れに思い、自分の危険を顧みずに助けました。傷の手当をして、宿屋に運び介抱して、お金を置いて足りなければ支払うことを約束しました。
イエス様はたとえで教えられた後、問いかけられました。「三人の中で、だれが襲われた人の隣人になったと思うか。」
律法の専門家は「助けた人です。」と答えました。イエス様は「あなたも同じようにしなさい。」と優しく励まされました。
頭ではわかってもなかなか行えないのが人間の弱さです。神様に助けていただき、善いサマリア人のように、憐れにみ思う心を持ち、どのような状況でも誰に対しても、助けるものにしていただきたいと思います。