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La foret 11月号

「恵みにおいて成長する」       亀甲山教会牧師 平賀和弘

「わたしたちの主、救い主イエス・キリストの恵みと知識において、成長しなさい。」(ペトロの手紙第二 3章18節)
 
神様は、恵み深いお方です。今期の『聖書研究ガイド』には、「神は二度目(そして、それ以上!)の機会を与えてくださる神です。聖書は、 この二度目(そして、それ以上!)の機会を『恵み』と呼んでいます」と記され、恵みと二度目の機会が関連して語られていました(2025年4期『聖書研究ガイド』12頁)。
ヨシュア記には、神様がイスラエルの民に二度目の機会を与えられたことが記されています。かつて、約束の地を目の前にして、カナンを偵察するために12人の斥候が派遣されたことがありました(民数記13章)。しかし、そのうち10人が否定的な報告をします。カナンの民は強力で、その町も城壁に囲まれていて、征服は不可能だと言うのです。それに対して、2人の斥候は神様の力と約束を信じ、前進するべきだと民を励ましました。民の多くは、10人の斥候の言葉を信じ、恐怖に陥り、「エジプトに引き返そう」と訴えました。さらに彼らはこの時期、「モアブの娘たちに従って背信の行為をし」(民数記25章)、偶像礼拝をするようになりました。
神様の驚くべき御業によってエジプトを脱出し、神様から必要なものはすべて与えられて荒野を旅し、いよいよ約束の地に入ろうとするイスラエルの民でした。神様の力強さと約束の確かさをこれまで何度も経験していたはずです。ところが、ここで神様に従うことができなかったのです。
いわゆる、ふつうの神様であったら、神を神として認めず、反抗を繰り返す人間は、天から火を降らさせて滅ぼされてしまうのかもしれません。しかし、聖書の神様は違います。反抗的なイスラエルの民をなおも導き、再び約束の地に入る機会を与えられるのです(ヨシュア2:1)。それは、神様の恵みによるものでした。
ペトロ自身もこの恵みを経験し、恵みにおいて成長しないさいと教会を励ましました(Ⅱペトロ3:18)。しかし、恵みが与えられているからといって、神様の招きを拒み続けることは安全ではありません。ファラオがそうであったように、頑なさは滅びを招くからです。二度だけでなく、それ以上の再挑戦の機会を与えられていることを感謝し、日々、主に従ってまいりたいと思います。