「祈りの秋」 亀甲山教会副牧師 松下晃大
秋の深まりを感じる季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。日が短くなり、夜の静寂が長くなるこの時期は、日中の慌ただしさとは違う、静かなひとときを味わうことができます。虫の音が響く夜に、神様との特別な時間を持つ方も多いのではないでしょうか。また、私たちの教会においても共に祈りを深めていくときとしてまいりましょう。
「絶えず祈りなさい。」(1テサロニケ5:17)
使徒パウロは短い言葉ですが、力強く祈りの大切さを教えています。「絶えず」という言葉は、24時間ずっとひざまづいて祈りなさいということではありません。むしろ、日常生活のあらゆる瞬間において神様との対話を続けることを意味しています。朝の目覚めから夜の就寝まで、喜びの時も悲しみの時も、神様と共に歩む姿勢のことなのです。
イエス様もまた絶えず祈ることの大切さを教えるために、一つのたとえ話をされました。ルカによる福音書18章には、やもめと裁判官の話が記されています。やもめは熱心に願い続け、正しくない裁判官でさえ最終的にはやもめの願いに応えました。まして愛に満ちた天の父なる神様が、私たちの祈りを無視されるはずがありません。この例え話を通して、イエス様は「神様は昼も夜も祈り求める者を決して見捨てることはない」と語られ、絶えず祈ることを強調されたのです。
私たちの日々は忙しく、祈りの時間を取ることが困難に感じる時もあります。しかし、祈りは神様との会話であり、愛する父なる神様との交わりの時間です。祈りを通じて神様の御心を知り、平安を得て、力を受けることができるのです。また、祈りは一人で行うものでもありますが、兄弟姉妹と共に祈ることで、教会全体が祝福され、神様の栄光が現されます。
秋の夜長は、神様が私たちに与えてくださった特別な恵みの時間なのかもしれません。静かな環境の中で、日中の慌ただしさから離れ、神様との深い交わりを持ちましょう。祈りを通して愛を確かめ、希望と力をいただきましょう。神様は必ず最善の時に最善の方法で応えてくださいます。