「神様の恵みの中を歩む夏」 亀甲山教会副牧師 松下晃大
蝉の声が響き渡り、青い空には入道雲が浮かぶこの季節、夏本番を迎えました。
子どもたちは長い休みに胸を弾ませ、大人も家族や友人と過ごすひとときを楽しみにしておられることでしょう。しかし年々厳しさを増す暑さに、私たちは体力だけでなく心も消耗しがちです。
このような夏の季節、ある聖書の言葉に目を向けたいと思います。
「目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。わたしの助けはどこから来るのか。わたしの助けは来る、天地を造られた主のもとから。」(詩篇121編1〜2節)
詩篇121編は「都に上る歌」と題され、エルサレムに巡礼する民が険しい道で歌った祈りの詩です。強い日差しと岩だらけの山道は、旅人の体力を奪い、盗賊や野獣の危険さえ潜んでいました。そんな現実の中で旅人はまず「助けはどこから来るのか」と自問し、すぐさま「天地を造られた主から」と応答します。続く3–4節では「主はまどろむことなく、眠ることもない」と繰り返されます。昼夜を区切る太陽と月さえも、神様の守りの及ばない時間帯はないという強調です。旅人たちは創造主なる神様こそが、道中も目的地でも変わらず働かれ、導いてくださっていることを確信したのでした。
私たちの日々の旅路においても、酷暑の太陽や闇夜の不安が姿を変えて迫ってきます。時に私たちは疲れ、迷い、さまようことがあります。しかし、天地を造られた主は決して私たちを見放さず、私たちがどこにいても見守り、歩むべき道を示してくださいます。
「あなたの出で立つのも帰るのも主が見守ってくださるように。今も、そしてとこしえに。」(詩編121編8節)
この8月、ぜひ神様の恵みを再確認していただければと思います。自然の美しさ、家族や友人との時間、毎日の生活の中にある小さな恵み、そして何よりもイエス様の救い。少し立ち止まり、イエス様を見上げて、感謝の心を持って歩みましょう。日々の歩みの中で神様の恵みを数えながら、主の助けを信じて進んでまいりたいと思います。休息を大切にしつつ、それぞれの場で歩みを続けるみなさまの上に、主が新しい力と平安を注いでくださいますようお祈りいたします。