Home » LAFORET » La foret 6月号

La foret 6月号

「心の耳を澄ますとき」       亀甲山教会副牧師 松下晃大

 皆様、梅雨の季節を迎え、いかがお過ごしでしょうか。雨に洗われた緑が美しく輝くこの頃、神様の創造の力をあらためて感じる日々です。私事ではありますが、このたび私たち家族に第二子となる男の子が誕生いたしました。家族が増え、感謝と喜びに満ちた日々を送っております。皆様のお祈りを感謝いたします。
この季節、外出の機会が減り、家で静かに過ごす時間が増える方もおられることと思います。そのような時こそ、「心の耳を澄ます」ことの大切さを思い起こしたいと思います。

 聖書は「信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始まるのです」(ローマ10:17)と教えています。ここで使われている「聞く」は、ただ単に音を聞くのではなく、心を傾けて「聴く」、つまり、注意深く、積極的に受け取る姿勢を表しています。赤ちゃんを抱いていると、小さな声やかすかな動きにも敏感になります。同じように、私たちの信仰生活においても、神様の声に耳を澄ませることが求められているのではないでしょうか。

 「聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい」(申命記6:4-5)。この「聞け」という力強い命令は、神様の言葉に全身全霊で耳を傾けるよう私たちに促しています。これは、私たちが「聞こえていても聴いていない」現実への警告でもあります。心が他のことに向いていると、神様の語りかけを見逃してしまうのです。

 現代の忙しい生活の中で、私たちは多くの言葉や情報を右から左へ聞き流しがちです。しかし、神様が私たちに語りかけておられる根本のメッセージはとてもシンプルです。それは「わたしはあなたを愛している」(イザヤ43:4)という一言に集約されます。この愛の言葉は、目立たず、静かに、しかし確かに私たちの心に届けられています。
 忙しさの合間に静まって、神様の御言葉に心の耳を澄ましましょう。その中に、私たち一人ひとりへの語りかけがあり、新たな信仰の一歩が備えられているはずです。雨の音に包まれる静寂の中で、神様の愛の御声がより明確に私たちの心に響きますように。神様の豊かな恵みと導きが、皆様の日々に注がれますように。