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La foret 9月号

「韓国宣教120周年記念礼拝」     亀甲山教会牧師 平賀和弘

 8月3日(土)、韓国から50数名のお客様をお迎えし、韓国宣教120周年記念礼拝が行われました。当日、安息日学校では韓国の兄弟姉妹による賛美や証がなされ、礼拝では韓国教団総理によって三天使のメッセージが宣べ伝えられました。さらに礼拝後、韓国教団総理と日本教団総理の司式によって4名のバプテスマ式が行われ、神様の恵みを覚えるすばらしい日となりました。
 韓国のアドベンチスト教会の歴史は、国谷秀(くにやひいず、1872-1962年)先生の働きを抜きに語ることはできません。国谷先生は、来日した最初の宣教師であるウィリアム・グレンジャー宣教師からアドベンチストのメッセージを聞き、1899年(明治32年)にバプテスマを受けました。先生は、日本で最初にアドベンチストのバプテスマを受けた一人であり、最初の文書伝道者、教師、按手礼を受けた牧師でもあります。
 また、国谷先生は韓国におけるアドベンチスト運動の重要な役割を果たしました。1904年春、当時、神戸教会で奉仕していた国谷先生は、ハワイ行きの船を待っていた朝鮮出身の李応顕さん、また同行者でクリスチャン仲間の孫興作さんと出会います。二人は三天使のメッセージを受け入れ、神戸の布引の滝で浸洗しました。
 その後、孫さんは、渡航手続きの不備のためにハワイへ行くことができず、朝鮮に戻ることになりました。彼が船内で受け入れたばかりの再臨メッセージを伝えると、ハワイから帰国途中にあったキリスト教の林基磐牧師がその真理を受け入れます。そして、帰国した林牧師によってアドベンチストメッセージはさらに伝えられ、30数名の仲間が与えられるのです。林牧師は国谷先生に、ぜひ韓国にきて欲しいと嘆願し、先生は朝鮮へ渡る決心をします。
 1904年、この年、朝鮮をアメリカの宣教師も訪れたようですが、国谷先生は8月に鎮南浦(現在の北朝鮮)に上陸しました。そして、およそ2ヶ月伝道します。その間、反対活動もありましたが、多くのバプテスマ者が与えられ、朝鮮にアドベンチストの教会が組織されました。
 国谷先生は、グレンジャー宣教師の臨終に際して、「あなたは同胞を愛するか」と問われ、「然り、愛します」と答えています。実際、さまざまな困難にあっても、信仰を持って、同胞のためにその生涯をささげられました。
 私たちも信仰の先輩の足跡に続き、主の働きに前進したいと思います。