Laforet　3月号

「あなたはとこにいるのか」　亀甲山教会牧師　小林勝
　「主なる神は人に呼びかけて言われた、『あなたはどこにいるのか』」創世記３章９節。（口語訳）
聖書はベストセラーをいわれています。聖書には神様が人間に語りかけてくださっている言葉が書かれています。また、神様の言葉にはたくさんの約束が含まれています。
神様が最初の人間アダムとエバに語りかけられた言葉は、祝福の言葉でした。「神は彼らを祝福して言われた・・・『見よ、全地に生える、種を持つ草と種を持つ実をつける木を、すべてあなたたちに与えよう。それがあなたたちの食べ物となる。』」創世記1章28、29節。神様は世界と宇宙の創造主です。神様は人間のために全てのもの用意して、6日目の最後に造られた順番からも、人間をいかに大切な存在と考えておられるかがわかります。
　しかし、エバとアダムは自分達を愛し、祝福してくださっている神様に背きました。するとそれまでなかった「恐れ」という思いが心に生まれ、神様の顔を避け、隠れました。その時、神様に背いたアダムとエバに神様が語りかけられた言葉は冒頭の「あなたはどこにいるのか」創世記2章9節でした。この問いかけは、アダムとエバに対してだけでなく、アダムとエバの子孫であるすべての人間に対して語りかけられています。
　イエス・キリストは救い主だと言われます。神様と人間の間に大きな隔たりが生じてしまいましたが、遠くから呼びかけられるのでなく、神様自ら人間のところに来て「あなたはどこにいるのか」とイエス・キリストが語りかけてくださっています。
　イエス様が語られたルカによる福音書15章の３つのたとえはそのことを教えています。
1.「見失った羊」のたとえ
迷子になった羊を見つかるまで探す羊飼い
2.「無くした銀貨」のたとえ
無くした銀貨を見つかるまで探す女性
3.「放蕩息子」のたとえ
　父を捨て放蕩の限りをつくす息子の帰りを待ち続ける父親
この３つに共通していることは、見つかるまで決して諦めない姿、戻ってくるまで諦めない神様の姿です。もう一つは、大喜びする神様の姿です。
迷子になった羊は自力では戻ることが出来ませんでした。無くなった銀貨は自分が失われていることに気がついていません。放蕩息子は、自分の状態に気づき神様のもとに戻りたいと思っています。わたしたちの状態がいかなる状態だとしても、神様は「あなたはどこにいるのか」という語りかけを諦めません。
そして、神様のもとに戻りたいと思うとき喜んで迎えてくださいます。