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La foret 5月号

「目標を目指して」       亀甲山教会牧師 平賀和弘

 「神がキリスト・イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。」(フィリピ3章14節)

教団の10年構想である「信徒は弟子に」「牧師は使徒に」「教会は光と塩に」に続いて、次の文章が記されています。「この10年構想実現には信徒、牧師、教会の意識改革が必須である。意識改革は最も困難な改革と言われるが、この改革なしに私たちの教会の未来はない」。意識改革は困難ではありますが、不可能ではありません。
秋田県に能代工業高校(現:能代科学技術高校)という学校があります。この学校のバスケットボール部は有名です。これまで全国大会で何十回も優勝しています。また、『スラムダンク』という漫画に登場する山王工業高校のモデルにもなり、日本人初のNBA(北米プロバスケットボールリーグ)選手田臥勇太さんの出身校でもあります。
しかし、昔はまったくの無名チームでした。そんなチームが変わったのは、加藤廣志さんという先生がやって来てからでした。加藤さんは能代工業高校から日本体育大学へ入学。卒業後、母校に保健体育の教師として赴任し、バスケットボール部の監督に就任するのです。
当時の能代工業高校の選手の平均身長はおよそ170センチで、185センチを超える選手がゴロゴロいる強豪校には歯が立たちませんでした。そのため、加藤監督は高さで勝負することをやめ、平面を生かした「走るバスケット」を目指します。そのために、単純な反復練習を繰り返しました。出来ないといつまでも練習は終わらず、正月以外、毎日練習したそうです。そして、加藤監督が就任してから4年目に、10年ぶりにインターハイに出場。7年目に埼玉国体で初出場初優勝を果たします。そして、次々と全国制覇を成し遂げていくのです。チームの意識は、「自分たちは勝てない。勝てないかも」から、「自分たちは勝てる。勝って当たり前」に変わりました。
その影には、選手たちに全力で向き合い、目標を掲げる加藤監督がいました。また、目標に向かってひたむきに練習し続ける選手たちがいました。すぐに結果は出ないかもしれません。しかし、私たちもイエス様という名監督に従い、小さくても、単純でも日々の働きを大切にしたいと思います。そうやって意識改革は行われ、神様のビジョンは実現していくのです。