「冥王星」 亀甲山キリスト教会牧師 伊藤裕史
皆さんは「冥王星の日」というのをご存知ですか。実は2月18日は「冥王星の日」。1930年の2月18日にアメリカ・ローウェル天文台の天文学者クライド・トンボーが太陽系の第9惑星「冥王星」を発見したのです。
冥王星の直径は2370キロ、月の直径が3474キロですから、月よりも少し小さい天体です。地球から見ると15等星、とても暗いために発見が遅くなりました。
私が小学生のころ、兄が天体望遠鏡を持っていたので星を見る機会がありました。一番よく見たのが月ですが、金星、火星、木星、土星を見たことがあります。しかし、この冥王星を見ることはできませんでした。私たちは子供の頃、冥王星を惑星と習いましたが、2006年にそれまで明確でなかった「惑星」の定義が定められ、冥王星は「惑星」でなく、新たに設けられた「準惑星」に分類されることになったそうです。発見されてからも数奇な運命をこの星は持っているようです。それまで見えていなかったこの冥王星が2月に発見されたということは、やはり冬は空気が澄んでいて、星がよく見えるからでしょう。皆さんは最近空を見上げましたか。ここ横浜は空が明るく、肉眼で金星や火星、木星などしか見えませんが、その裏側には夜空いっぱいにきらめく、大小の星があるのです。
このような星だけでなく、聖書には空を見上げて歌にしたものがあります。
「あなたの天を、あなたの指の業を/わたしは仰ぎます。月も、星も、あなたが配置なさったもの。そのあなたが御心に留めてくださるとは/人間は何ものなのでしょう。人の子は何ものなのでしょう/あなたがかえりみてくださるとは。」(旧約聖書8編4,5節)
古代の人は、自然や宇宙を身近に感じて生きていたといわれます。聖書の時代を生きた古代のイスラエルの人々も同じでした。日本と違って空気の澄んでいる中東、特に砂漠地帯では 夜になると満天の星空がひろがるようです。その星空の下で、人々は宇宙の創造主である神を身近に感じ、そして自分のちっぽけな存在を感じたのです。
この1年はコロナの影響で下を見て過ごすことが多かったような気がします。しかし、このような時だからこそ、上を見上げて進んでいかなくてはいけないのです。皆さんも天気が良かったらぜひ星空を見上げてみて下さい。そして神様を感じて下さい。