Home » LAFORET » LAFORET 2017年8月

LAFORET 2017年8月

「第八の月」亀甲山キリスト教会牧師 伊藤裕史

暑い日が続いています。8月は葉に月と書いて葉月(はづき)。旧暦の8月が今の九月上旬から十月上旬の秋にあたるため、葉の落ちる月「葉落ち月」が転じて「葉月」になったとする説があるそうです。でも現在8月と言えば夏真っ盛り。雑草も勢いよく生えてきます。私たちの感覚では8月は葉の生い茂る月です。

さて英語で8月はオウガスト。これは数字や8月の季節に由来したものではありません。

ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスの名前から取られたと言われています。彼は紀元前63年に生まれ、カイザルの養子として歴史に出てきました。その後権力闘争に勝ち、地中海世界を統一、君主としてローマ帝国を支配した人物です。このアウグストゥスを称え8月をオウガストというようになったそうです。月の名前を変更させるまで権力を持った皇帝。このアウグストゥスは実は聖書の中にも出ています。皆さんがご存知のクリスマスの場面です。

「そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。…人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。」(ルカ2:1-4)

イエス様の誕生にこの皇帝アウグストゥスが関わっています。皇帝からの住民登録の命令が出なければイエス様はナザレで生まれていたはずです。命令によってイエス様は旧約聖書の預言のとおり、ダビデの町ベツレヘムで生まれることになるのです。だからこの命令も神様のご計画にあったというべきでしょう。歴史の中に神様が生きておられる証拠がここに見えます。

さて、8月は日本人にとっては先の世界大戦の出来事を思い出す月です。私たちの国のこれまでの歴史の中に神様の姿は見えるのでしょうか。昔極東にある国であった日本が、当時の二大文明に挟まれたエルサレムを中心とする聖書の世界に直接出てくる事はありません。しかし、聖書の世界も今はグローバルに広がっています。預言の中にある、これからの時代の中で実現することは日本においても無関係とはいえません。アメリカと中国という二大国家に挟まれた日本において、できれば忠実な民の歩みの実現する国として登場していきたいと思います。