「神様を証しする教会」 亀甲山教会牧師 平賀和弘
アンティオケアの教会を出発したパウロやバルナバたちが、エルサレムの教会に到着しました。彼らは、エルサレムの教会の人々、使徒たち、また長老たちから歓迎を受けます。そして、神様が自分たちと共にいて行われたことを、ことごとく報告し、神様のすばらしさを証ししました。
エルサレムの教会は、アンティオケアの教会にとって、いわば親教会です。エルサレムでクリスチャンに対する迫害が起こり、信徒たちは各地に散っていきました。アンティオケアの教会は、そういった信徒たちを中心として組織され、成長し、今や、その地域の拠点教会になりました。なぜアンティオケアの教会は成長し、地域に影響力を持つ伝道センターとなったのでしょうか。その理由の一つは、神様を証ししたからでした。実際、彼らはエルサレムに到着した時も、その道中でも神様を証ししています(使徒言行録 15章3節)。
エレン・ホワイトは、次のように語っています。「人生という道を歩みながら、自分の間違いや欠点や失望ばかりを考えて、悲しみと落胆に満たされている人がたくさんいます」(『キリストへの道』主にある喜びより)。人は、とかく欠点や誤りに目を留め、それらを語り、悲しみや落胆を伝えがちです。しかし、これまで何か楽しかった出来事はないでしょうか。聖霊を感じて、喜びで心が満たされた瞬間はなかったでしょうか。神様の恵みを数え、それらを語り、主にある喜びを伝えてまいりましょう。教会は、神様のすばらしさを伝えるためにあるのです。
アンティオケアの教会は、マイナス的なものを伝えようとすれば、いくらでもできました。彼らの受けた迫害、伝道の困難さ、教会内に分裂の危機もありました。そもそもエルサレムの教会を彼らが訪れたのは、教会内に起こった誤った主張を協議するためでした。しかし、彼らは神様を証ししました。しかも、聖書は「ことごとく報告した」と記しています。神様の恵みが一つも無駄になることはなかったのです。
霊的な力と命を与えることを語ることが求められています。神様は、どんなすばらしいことをなさっておられるでしょうか。神様のすばらしさを伝えてまいりましょう。