恐れるな
2015年、新しい年を迎えました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。ところで、この一年どのような年になるのか私たちには分かりません。どのような出会いがあり、どのような経験に与ることになるのか分かりませんが、皆さんお一人ひとりにとってよき年となるようにお祈りいたします。
聖書の中に、弟子たちが突然嵐に襲われた時の話が記されています。嵐が来ることはないと判断して船を出した時のことです。沖に出てしばらくすると、突然風が吹き荒れ、逆巻く波が押し寄せたのです。予想外の嵐で夜明けまで格闘していた時、イエスが海の水の上を歩いてくるのが見えました。弟子たちは、てっきり幽霊だと思い、恐怖のあまり叫び声をあげました。すると、「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」という声が聞こえ、弟子のペテロは、「先生！水の上を歩かせてそちらに行かせてください」と叫びました。そして、イエスに向かって水の上を歩き始めましたが、強風と波に恐れをなしてイエスから目を離したとたん、水の中に沈んで溺れかけます。「助けてください！」と叫ぶペテロを、イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と言われました。そして、二人が船に乗り込むと風は静まった、と記されています。
私たちも思わぬことの成り行きの中で不安を覚えることがあるかもしれません。しかし、ペテロに「なぜ疑ったのか」と言われたイエスは、私たち一人一人にも「恐れるな。私はあなたと共にいる」と励まして下さいます。どんな時にも神さまが共にいて下さることを覚え、希望と平安の内に、この一年を歩みたいと思います。
亀甲山キリスト教会牧師 東海林正樹